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これまでの取組みその1、藤忠ビルプロジェクト

文:石上 城行

投稿日:2009年2月5日(木)
カフェイベントの様子

カフェイベントの様子

昭和3(1928)年に建てられた松江市天神町の藤忠ビルが、道路の拡幅工事にともなって平成13(2001)年に解体されることが決まりました。
そこで、この建物に関心をもっていた10名が集い、名残惜しむためのイベントが企画されました。

約70年間まちの金物屋として営業してきた店内には、折々の時代を象徴する商品がホコリをかぶったまま残されていました。

プロジェクトのメンバーはまず、まちの方々と一緒にそれらのホコリはらい、美しく並べなおしました。また建物は、後から手を加えられた部分を丁寧に取り去ることで建築当時の装いを取り戻し、サロンとして復活。そこを基盤として「カフェ」、「作品展」、「ワークショップ」、「写生会」、「ダンスイベント」、「コンサート」など様々な催しが行われました。

もともとは、10名がそれぞれの思いを託した企画を実施するだけの、ささやかなイベントになる予定でしたが、建物に引き寄せられるように集まった人々の渦に巻き込まれるように人が人を呼び、予想をはるかに超える大なプロジェクトとなりました。

このとき私たちは、アートの隠れた力をみつけたのかもしれません。

それ以来、事あるごとに付かず離れずのメンバーは、様々なアートイベントを手がけてゆきました。今振り返るとこの「藤忠ビルプロジェクト」には、「奥谷タイムトンネル」つながる萌芽がたくさん詰まっているように思えます。

石上 城行

1968年生まれ。東京芸術大学大学院修了。彫刻家。大学院在学中より、現代的な視点で創り出す人物像の発表活動を行ってきた。 2000年、島根県へ拠点を移動。これまでの活動に加え、広く地域社会と芸術の融合を目的とするプロジェクトへ 積極的に参加することとなる。現在、島根大学教育学部美術研究室准教授。「地元の芸術家による展覧会」に出展。 http://